会員の便り No11
2009.11.3掲載
 大谷本廟での親鸞聖人750回大遠忌法要に参詣 
                         
                学習3年 熊木 博

 10月16日の大谷本廟での、親鸞聖人750回大遠忌法要に行って参りました。前夜は聞法会館に宿泊し、6時からのお晨朝は阿弥陀堂で、引き続いて御影堂では宗祖のご命日でありましたので、お正信偈(行譜)おつめと相成りました。お堂は遠近各地からの参詣者で、いっぱいになりました。
 朝食の後、余裕を持って早めに、シャトルバスで大谷本廟に向かいました。早かったので、バスは半分の乗車率で私たち夫婦は、最前列の席に座りましたところ、車椅子のお同行(老夫婦と娘さん)が乗られる様子。年老いたお父様の足がご不自由。私は直ぐさま、手を取って乗車を手伝わせてもらいましたところ、運転手側の最前列に座っておられた僧侶の方が席を空けて下さいました。大谷本廟の降車場所では、係の方も手を貸してくださり、エレベーター口へと運んで下さり、とてもすがすがしい一日の始まりでございました。車椅子のご家族は、札幌からでした。
 第一無量寿堂の7階の亡き母、5階の亡き父への挨拶も済ませ、心静に午後1時の開始まで待ちました。全国からの門信徒が団体で続々席に着かれ、1,800席は満席になりました。本日、16日はお満座の日です。
 真宗宗歌、総長挨拶、記念布教(上山大峻師)、稚児行列があり、2時からの庭儀が始まるに際し、アナウンスがありました。
 「携帯電話は電源をお切りください。庭儀のご一行が進む通路側の人は、席をお立ちにならないように」という注意内容でした。
 ところが、庭儀が雅楽の先導のあとに、新門様、ご門主様が通過される頃には、席を立ってカメラを構えてしまう姿が目立ちました。1人がやれば、私も私も、自分さえ良ければ他人の迷惑など忘れてしまうのでしょうね。
 それでも合掌のアナウンスがあれば、「ナマンダーブ・ナマンダーブ」。
 報恩講作法第二種による法要が終わり、ご門主様のお言葉があって、雅楽の先導で庭儀(諸僧退出)となりました。あれほど、「もったいない」、「ありがたい」と喜んでおられた御同行も、一部ではありましょうが、退出されるご門主様や、新門様のお姿をカメラに収めたいと構えています。カメラを構える前に、手を合わせたり、お念仏したり、一揖することの方が大切なのではないか。この辺のことも、各お寺さんでしっかりオリエンテーションを行う必要があるのではないかと思った次第であります。そう思うと、アナウンスだけでは不十分であり、参詣されたご門徒さんの中には、耳のご不自由な方もおられるので、『席を立たないように』と大書したプラカードを、係員が手に持って会場を巡回することが必要なのではないか、と思わせて頂いたことであります。
 阿弥陀さまが、席を立つことは
 「後ろの人が見えないし邪魔になる、気づけよ、気づけよ」と、おっしゃっておられたのではないでしょうか。
 自分の行為が他人に迷惑にならなければ、つまり、お恥ずかしいことがなくなれば、「世のなかは、安穏になる」と、思ったことであります。