会員の便り No.13
(2009.12.16掲載)
 
    
  「京都に中央仏教学院を訪うの記」
                            
             学習三年 正坊地 邦典
 
 台風襲来を前にした秋の一日、私は妻(学習1年)と共に我らが母校「中央仏教学院」を訪問させて頂きました。私は2年前にご本山の阿弥陀堂で行われました入学式に参加させて頂きましたが、今回初めて中央仏教学院本校を訪問する機会を得ました。

 前日は、本願寺聞法会館に宿泊させて頂き、おあさじにお参りさせて頂き、その後、親鸞聖人のご旧跡を巡らせて頂きました。日野の誕生院、法界寺、六角堂、角坊(すみのぼう)、そして中央仏教学院と雨の中を巡らせて頂きました。誕生院では、雨そぼ降る静寂の中、私達以外にはお参りする人もなく落ち着いた参拝でした。角坊では、報恩講が勤修されており、小さなお堂には、20人ほどの同行のお参りで、しめやかな法要でした。

 初めての中央仏教学院の訪問には、多少の勇気が必要でしたが、思い切って 訪問させて頂きました。予約もなく訪問させて頂いたにもかかわらず、通信教育部長の姉嵜(あねざき)博幸先生が迎えて下さり、なごやか、かつ、丁寧に応対頂きました。また、スクーリングの時などにお世話頂いている通信教育部の先生方のお顔も見え、緊張感もとけ穏やかな気持ちでひとときを過ごさせて頂きました。
 姉嵜先生から「東京地区つどいの会」の運営や通信教育の学び方に関し、下記の如くのご感想やご指導を頂きました。

 @熊木つどい世話人から詳しい現況報告を何度も頂き、本校と
   の関係も密になり感謝している。
 A築地別院の行事にも積極的に参加してもらっているようで、
   非常に嬉しい。 卒業奉告参拝は良いと思う。
 B「つどいの会」は、メンバーが通信教育3年間で卒業し入れ替
   わると言う特性から運営に難しい面もあるが、現役生が主体
   でOBが支援・指導するという形で推進するのも一つの方向性
   と思う。
 C通信教育は、自宅にて一人で勉強するという特性から、教育
   生間の交流が難しく、行き詰ったらスクーリングや試験を受
   けずに留年し、結果としてやめてしまうという教育生も散見さ
   れるという 問題がある。教育生同士で励ましあって、3年間で
   リズム良く進級・卒業できれば喜ばしいことと思う。そういう観
   点 から 「つどいの会」 の役割は大きい。

 お話を伺った後、ご門主の筆になる「学仏大悲心」の額の掛かった本堂(講堂)にお参りさせて頂きました。立派な荘厳のお内陣でした。学生さんが、作法などを実地に学ばれるとのことでした。

 今回の訪問後の感想は、次の如くです。「東京地区つどいの会」の開講式・終了式などで「朝に仰ぐ 比叡の嶺 ・・・・」と校歌を歌っていましたが、もうひとつ自分のものになっていませんでした。今回、母校を訪問させて頂き、姉嵜先生のお話を伺い、「学仏大悲心」の額の掛かった本堂にお参りさせて頂き、これからはふよくの地(注)に思いを馳せながら校歌を歌うことができるようになったと嬉しく思っています。 「東京地区つどいの会」に学ぶ仲間の皆さんの中には、母校を訪問されたことのない方もいらっしゃると思います。是非機会を作られて訪問されることをお勧め致します。

 【注】:「ふよくの地」:漢字では「馮翊(ふよく)の地」と書き、中国の地名から転じて京・右京を表します。親鸞聖人は、東国の地を去って京都に帰られた後、京都市中(右京・左京)を転々として移住され、栄達を求めず、『教行信証』の撰述に専念されました。親鸞聖人は、晩年には弟尋有僧都が住していた善法坊にお移りになり、この地で遷化されました。現在、本願寺角坊及び中央仏教学院のある地は、善法坊の跡地と伝えられています。私達は、親鸞聖人が著述を重ねられ、遷化された地を「ふよくの地」として慕い続けるのです。





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「浄土真宗は目覚めの宗教
ー中央仏教学院」





ご門主の筆になる
学仏大悲心」の額の掛った
中央仏教学院の本堂




雨の中しめやかに報恩講が
勤修された「本願寺角坊」