会員の便り No.15
(2010.1.22掲載)
 
    
  「法然と親鸞」観劇記
                            
         専修3年 塘 幸生
 
 12月13日青山劇場にて、「東京地区つどいの会」の皆さまと観てきました。
 平安から鎌倉時代初めの天災及び政治的激動期に、無明の闇をさ迷うしかなかった人々を一人も洩れなく救わんと、念仏を称え民衆と共に生きた、法然とその弟子親鸞。
 苦しみの中に出会った二人が辿り着いた真実「弥陀の本願」への帰命と実践。
 親鸞とその妻恵信尼との美しい絆、救いを求める民衆の命の尊さ、争いのない平和の尊さ、実に見事に演じられ、字幕のお聖教ともども有難く拝見しました。
 特に印象に残ったのは、承元の法難で共に流罪になられたお二人が、たゞの罪人として赴くのではなく「念仏のみ教えを国のすみずみにまで広める、またとなき機縁」と宣言され、「流罪がなければ、そこにいる人にみ教えを広めることができなかった 」とまで、前向きに考えて教化していく姿に感銘を受けました。
 法然聖人から親鸞聖人への念仏申すみ教えを、今この私の処へと、相続させていただいていることに、無上の喜びとを改めて感受いたしました。
 劇場には、小学生男子連れの若いおかぁさんも来られていました。この親子は、観劇の法座の中に慕っているようで心が熱くなりました。
 今後は、海外でも上演されると聞きましたが、前進座の発展を念じながら親鸞聖人750回大遠忌、そして法然聖人800回忌をご縁として、念仏の声が世界中にひろまることを念じております。

 観劇終了後、三年学習の足立さんが経営される、関東では行列のできる有名な西麻布のグルメ「三河屋」(コロッケ)に移動して、いもコロッケ、チキンコロッケ、メンチカツ等、数え切れない程の美味しいコロッケを肴に、今見てきた劇の配役に成り切って意見交換し、夜のふけるのも忘れて舌鼓を打って身も心もあたたかくなった一日でした。





恵信尼役を演じられた
女優の今村文美さん
前進座で上演される前に
学習会の教室(築地本願寺の講堂)でお話をいただきました。
(平成21年9月27日)