会員の便り No.22
(2011.5.21掲載)
  
親鸞聖人750回大遠忌法要本山出勤 
賛助会員(先輩講師) 田中 頼子   


 5月14日と16日、本山の親鸞聖人750回大遠忌法要に出勤しました。14日は、列衆として、16日は、日中法要は結衆、逮夜法要は列衆として、同窓生の清水みゆきさん、高橋君子さんはじめ大勢の女性僧侶と一緒に、出仕しました。華葩(ケハ)
 10時からの日中法要には、出勤者は8時半までに集合です。14日、8時過ぎに、阿弥陀堂と御影堂の間の受付で、名前を言って受け付けていただきました。受付で、法要の差定と出勤記念の中啓をいただきました。
 列衆は、龍虎殿にある控え室で着替えます。女性用控え室で、何人かの女性僧侶と知り合いました。その中でも、4月9日の法要開始から皆勤している、大阪堺市の豪快な坊守さんと、友達になりました。袴を着けての衣体の時のいろいろな工夫を、教えていただきました。
 列衆は僧班衣体を着けます。袈裟は僧班の袈裟か、記念五条を着けることになっていますので、顕如上人、蓮如上人、鏡如上人などのいろいろな記念五条が見られました。

 9時から出勤者控え室に集まり、出仕の作法や縁儀についての説明がありました。そのあと、僧班による名前の呼び出しがあり、一列に並んで、阿弥陀堂まで案内されました。阿弥陀堂に入る前に華籠を渡され、経本を華籠の中に置いて、中啓を襟元に挿して進みました。華籠の房は3本とも赤で、床につくくらい長かったです。華籠の房をさばいて、着座し、中啓を膝前に置きました。

 出勤時刻になって、全員で立ち上がり、阿弥陀堂を出るときに、二列で白線を行くように指示されました。阿弥陀堂から御影堂に行く廊下の外に大太鼓があります。御影堂の反対側にも大太鼓があって、ドーン、ドーンと二回鳴ります。それに合わせて、左、右、左と足を運ぶ縁儀が始まりました。
 御影堂には大勢のお参りの人がおられて、その間を進み、尊前で一揖の後、左右に分かれて、余間に入り、着座しました。
 行事鐘が鳴り、結衆が入堂し、御門主、新門様が入堂され、新門様お導師による宗祖讃仰作法第三種の法要が行われました。
 法要の後、控え室に集まり、役行事による出勤お礼の挨拶がありました。

 15日は、結衆の習礼がありました。内陣に入るので、白衣、布袍、輪袈裟で、午後5時45分に聞法会館に集まり、御影堂に向かいました。御影堂で出勤順に名前が呼ばれ、二列に並びました。
 後門から、敷いてある敷物の上を進み、出内陣を回って、回り畳に着座しました。歩き方とか、角の回り方など、いろいろ指導を受けました。結衆には列衆にはない、お導師と一緒に三拝する総礼があります。そろわないといけないので、何回か練習がありました。列衆にはない座前立列の作法もあり、これも練習しました。

 16日は、17日の世界仏教婦人会大会に向けて、女性だけで内陣出勤しようということで、結衆は女性だけでした。8時過ぎに受付していただき、結衆の控え室に行きました。控え室は香房でしたか、とても雰囲気のある部屋で、炉も切ってあり、襖絵がとても良かったです。戸を開けたら、御門主のお住まいも見えました。
 控え室で白衣、袴、布袍、輪袈裟を着けて待っていたら、結衆控え室に案内されました。そこで役行事の出勤挨拶があり、本山で用意されている結衆用の揃いの色衣に着替えました。
 今回の法要のために新調された結衆用の空色の色衣は、塩瀬で、ごわごわしていました。新しいので、石帯がしっかり結べず、係の女性に締めてもらいました。袈裟は今回の記念五条で、揃いの中啓、二輪念珠を持ちました。

 阿弥陀堂で御門主、新門様の御焼香があり、結衆も参加しました。その後、いよいよ大遠忌法要の結衆としての出勤です。御影堂に移り、行事鐘の鳴る中、後門から入堂しました。
 敷物の上を約2m間隔で歩き、出内陣を通って、自席に着き、華籠の房を手繰って、回り畳の上に着座しました。
 新門様の御導師で、宗祖讃仰作法第三種、音楽法要でした。
 結衆は新門様の登礼盤に合わせて、三拝のとき同じ動作をする総礼があります。回り畳の上で、蹲踞して動作がそろうのを待ち、新門様の動作に合わせて三回立ったり座ったりしました。
 お正信偈が終わったところで、座前立列になります。これも華籠を持ち、回り畳の上で動作がそろうのを待って、回り畳から降り、一斉に立ち上がる動作をします。
 御和讃の後の十二句念仏の時に散華、回向文は立ったままでお唱えしました。華籠の房をさばいて着座し、御門主の宗祖御消息拝読を拝聴して、退出し、法要が終わりました。
 五十年に一度の大遠忌の御勝縁に、ご本山で出勤する機会にめぐまれて、本当にありがたいことだったと思っています。
                                                                             2011.5.19 記 

                 本願寺御影堂(安藤秀明さん撮影)