会員の便り

  浄 土 真 宗 本 願 寺 派

会員の便り No.29 (2017.02.01掲載)
「得度習礼に参加して」 松田 充博(専修 2年)

 十二月六日に西山別院に着くと、まず荷物のチェックがありました。携帯電話など外部と接触できるものは、すぐに没収されます。練習が始まると激しい叱責がとびます。これは最終日まで続きます。指導員は徹底的に厳しかったです。
 その日に浄土真宗本願寺派についての理解度調査テストを受けました。これは十日前に送られてきた資料そのままでした。衣体(えたい)の検査やたたみ方は最後まで続きました。かなり厳しく見られ、まずいとシールが貼られます。出来ていないと呼び出されることもあります。
 食事中は、一切会話は厳禁です。食事は美味しかったが冷めていました。肉の料理も出るし、カレーやコーヒーとパンの日もありました。
 課題は、正信偈と領解文は暗誦(無本)で、和讃と御文章は見てもよいです。とくに「う」(二字仮名)の発音は厳しくチェックされます。しっかり練習していかないと何度も落とされやり直しされます。出音は出してくれます。リズムは正確に、テンポは速くなりがちですが一定に、そして音程は正しく唱えます。因みに、私の場合、正信偈は帰命から四行目、善導から四行目まででしたが、全部暗誦されたほうがよいと思います。和讃は一首目、五首目、回向でした。慣れない正座のためとてもきつかったです。
作法について
 合掌の姿勢は背筋を伸ばして、手は膝の上にして真ん中に手を置きます。礼拝は姿勢を正しく、手は15度にして45度傾けます。すると手は自然に平行になります。歩き出すときは必ず左足から、サウサウで行います。焼香は一回、おしいただかいないでします。中啓・念珠は腰に、手はふらずに歩きます。念珠は親指にかけ、指は閉じます。もちろん親指も膝の真ん中におきます。中啓は物を持っている時は襟首にさします。石帯は袈裟からはみでないように折ります。椅子の場合はかかとをつけます。衣体の乱れに注意し鏡でチェックを常にします。袈裟の着方、とくに大威儀(おおいぎ)と小威儀(こいぎ)の結び方をしっかり覚えることです。御文章は頭を下げ拝聴します。得度した後は布袍(ふほう)を着て帰ることになります。
得度される方へのアドバイスとして
 インターネットの情報や過去のいろいろな資料は古くなっているので得度されたばかりの人に聞かれるのが一番よいと思います。
松田 充博
合掌

写真
本願寺派西山別院【得度習礼・教師教修所研修道場】 
 境内地には、浄土真宗本願寺派の僧侶を育成する宗派機関「得度習礼・教師教修所研修道場」が併設されており、年間140日以上の日程が組まれています。 本派僧侶資格を授かるには、ここで11日間の研修を受けねばならないため、僧侶の登竜門と言えます。また、既に僧侶の身となった方々が、更なる研鑽を積む場所でもあります。 (文、写真は本願寺西別院のwebsiteより転写)

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