会員の便り No.30 (2017.09.20掲載)
「親鸞聖人御旧跡参拝旅行 第3回に参加して」 中野 俊夫(専修 3年)
6月24日&25日、同窓会主催の第3回親鸞聖人御旧跡参拝、上越市「親鸞と恵心尼その一家遺跡巡拝」に参加しました。今井先生の解説はとても分かりやすく有意義でした。
北陸の冬の季節風は尋常でなく、寒く、暗く、日本海の波濤は荒く、冬期に、この居多ケ浜を訪れれば、当時の聖人の厳しい生活環境を実感すると思います。しかし、訪れた日は穏やかな晴天でした。夏の日本海は穏やかで、沿岸を航海する限り台風の影響も少なく、その地理的な優位さから、江戸時代には日本海沿岸の多くの港が北前船で賑わっていました。そうなんです、世界地図で俯瞰すると日本海は湖みたいなものですから冬季以外は概ね穏やかな海です。
私は、居多ケ浜と同じ地形の北陸の生まれです。子供の頃、イワシなどが地引網で干鰯(ほしか:砂浜に撒き乾燥して肥料にしたもの)にするほど採れました。きっと、居多ケ浜も地引網に適している浜辺と推察しました。聖人一家が7年間すごした居多ケ浜のこの地は、海の幸に恵まれ、上越平野と山河からの山の幸・里の幸に恵まれ、食生活では豊かな地域であったであろうと想いをめぐらしました。
翌日、一行は赤倉ホテルの大きな仏壇があるロビーでお朝事を催行したあと、恵信尼さまゆかりの「こぶしの里」を参拝しましたが、ここも上越の豊かな農村であったに違いないと想像しました。